牛肉大国のアメリカで人気が高まっているのが、日本の「WAGYU」です。しかし、“トランプ関税”の影響でピンチを迎えているといいます。
週末、マンハッタンで開かれた日本食のお祭り。中でも人気だったのが…。
記者
「こちら、ずらりと並んだ方々の先にあるのは和牛です!」
ステーキ丼は3600円ほどしますが、飛ぶように売れていきます。
「とてもやわらかい」
「やわらかくて、味も大好き!」
調理するのは、アメリカで日本の和牛の輸入ビジネスに15年以上携わる安代さんです。
『和牛マスターUSA』 安代浩明さん
「このままいくと足りないかもしれないですね」
和牛人気に乗り、全米に複数の倉庫を構えています。
「美味しいですよ、神戸牛」
日本からアメリカへの和牛の輸出は拡大していて、去年、台湾を抜き、最大の輸出先となりました。
しかし、その人気にいま、影を落としているのが関税の問題です。
『和牛マスターUSA』 安代浩明さん
「36.4%、いま実際にかかっている」
アメリカが輸入する牛肉には通常、26.4%の関税がかかります。一定量までは低い関税の優先枠があり、日本も利用してきましたが、トランプ関税を見越して輸出攻勢をかけたブラジルにほとんど独占されてしまいました。
さらに、4月からは10%の“トランプ関税”が課され、現在、36.4%もの関税を負っているといいます。
『和牛マスターUSA』 安代浩明さん
「ギリギリで(利益)数%でやっている問屋さんとか、実際に買えていない方も出てきている」
宮崎和牛が人気のステーキハウス。340グラムでおよそ4万6000円ですが、祝いごとなどで客が喜んで注文するといいます。いまは値上げをしていませんが、関税がさらに課されれば大きな影響が出ると、店のオーナーは心配します。
『エンパイアステーキハウス』オーナー ジャック・シナナジさん
「和牛は出し続けるつもりです。しかし、どのくらい売れるのか?どのくらいのお客さんが食べることができるのか?このまま(和牛を)仕入れ続けられるかが問題です」
現地の和牛ビジネスに詳しい全農の担当者も…。
全農アメリカ 植木悠貴さん
「和牛の場合、(関税率が)50.4%になって、企業努力では吸収できる範ちゅうを超えていると思うので、 値上げせざるを得ない」
値上がりが、和牛人気に水を差しかねないとの懸念が広がっています。
『和牛マスターUSA』 安代浩明さん
「政府は政府で頑張ってくれているとは思うけれども、もうひと押し、何とか関税の方でも声を大にしてアメリカと協議してほしい」
アメリカでの和牛人気を左右しかねない日米の政府交渉は続きます。
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