5月12日、肥後銀行と熊本銀行が決算会見を開きました。これらの金融機関の発表から、熊本県内の景況感を探ります。
「銀行は地域経済の鏡」肥後銀行
肥後銀行の2024年度の純利益は、前年度より20億円ほど多い約158億円で、過去最高益でした。肥後銀行を傘下に置く九州フィナンシャルグループの笠原慶久(かさはら よしひさ)社長は。

九州FG 笠原慶久社長「銀行は地域経済の鏡。経済の状況が良くなれば業績も良くなる」
また、売上にあたる経常収益も過去最高(前年+約180億円)で、2期ぶりの増収増益となりました。半導体関連の融資は周辺開発も含めると463件、約1180億円貸し出されています。
一方で、会見では苦しい状況が続く人への対応について質問がありました。
――給与が増えたとは思っていない人や、苦しい業界への対応は?
笠原社長「極端な言い方をすると二極分化している。苦しい業界は好転しないといけない 。その辺へのきめ細かい対応が必要」
さらに、生産性を上げる企業努力が必要で、そのための解決策を探り、融資していく考えを示しました。
熊本銀行「良好な決算」
また、12日は熊本銀行も記者会見を開き、昨年度の決算は2期連続の増収増益だったと発表しました。
純利益:約69億円(前年+約23億円)
経常収益:約320億円(前年+約46億円)
熊本銀行 坂本俊宏頭取「良好な決算であり、私としても十分満足いく内容だった」

坂本俊宏(さかもと としひろ)頭取は、TSMCの進出効果で中小企業への貸し出しや個人向けローンが好調に推移したと説明しました。
一方、今年度の決算はトランプ関税の影響で先行きが不透明として減益を予想し、「輸出が好調な農林水産業への影響も注視する必要がある」としています。