■「ウクライナの冬はマイナス10度とか20度になる」
ロシア軍のインフラ施設への攻撃によってウクライナの電力インフラは3~40%破壊されている。現時点で7つの州、約150万戸が停電している。これが間もなく訪れる冬、深刻な問題を引き起こす。実はウクライナの暖房の多くは、旧ソ連時代に作られたセントラルヒーティングだ。即ち発電所で電気を作る際に出る95度の熱湯をパイプで各家庭に分配。それで給湯と暖房を賄っている。つまり発電所が運転停止になると、地域丸ごと暖房も給湯もストップすることになる。現在薪ストーブの大量生産を急ピッチで進めているが、凍死者が出ることも懸念されている。

北海道大学 服部倫卓 教授
「ウクライナの冬はマイナス10度とか20度になるんです。(中略)今の時期になると“そろそろ暖房、入るかなぁ”って気が気じゃなくなる。ロシアはそういうタイミングで電力インフラを攻撃したんですね」
東京大学先端科学研究センター 小泉悠 専任講師
「私がモスクワに住んでた時も、ソ連式の団地に住んでた。まさに同じシステム。パイプが来ていて発電所から直に熱が来るんでエアコンとか他の暖房いらない暖かさ。逆に言えばそれが来なかったら寒くって・・・。熱湯が送られてくるっていうのは冬の間命をつなぐ上で死活的なものだってロシア人もわかってるから、そこを攻撃すればウクライナ国民の士気は下がるだろうと狙ったんだろう・・・。(中略)でもこれでウクライナが戦争継続をあきらめるかっていうと、そうは思わない」
前線では反転攻勢に出るウクライナ。寒さにも屈しないウクライナ。これに対しプーチン氏は、戦略の変更に踏み切ったようだ。