ロシアによるウクライナ侵攻から3年が経過する中、トランプ米大統領が和平交渉の仲介役として前面に出ている。しかし、ロシアが一方的に宣言した72時間の一時停戦が機能せず、ウクライナ側の不信感も根強い。トランプ大統領の仲介は実を結ぶのか。停戦への道筋と課題を探る。

トランプ大統領、停戦実現に前のめり姿勢の理由「まさにアメリカファースト」

トランプ大統領は就任前から「24時間でこの問題を解決する」と豪語していたが、現実は厳しい。外務省担当記者によると、「トランプ大統領としては、就任100日後で歴代大統領の中で一番支持率が低いと言われている中で、ウクライナ紛争を解決するという功績を作って支持者にアピールしたい思いがある」という。

トランプ大統領がウクライナ問題に関与する最大の理由は、これまでの膨大な支援から早期に手を引きたいという思惑だ。外務省関係者は「トランプがウクライナ戦争を終わらせたい最大の理由は、いま投入しているお金をアメリカのために使いたいから、まさにアメリカファースト」と指摘する。

しかし、トランプ大統領の姿勢には変化も見られる。当初はウクライナに過去の支援の全額返済を求めていたが、最近ではウクライナとの鉱物資源共同開発協定に署名。今後の支援のみを回収の対象とするなど、ウクライナ側への一定の譲歩も見せている。