JAでは3割以上引き上げ?専門家たちが占う今後の“新米価格”
より多くのコメを仕入れたいと思っているのは、大手集荷業者の「JA」も同じです。

JAが米を集める際に、農家に支払うお金を「概算金」といい、秋に出回る新米の販売価格の指標にもなります。
コメどころ「JA全農にいがた」は、その概算金の目安を明らかにしました(8月に正式決定)。
60キロあたり、2024年は1万7000円だったのが、2025年は2万3000円に。3割以上引き上げる方針だということです(5月2日時点)。
JA全農にいがた 担当者
「競合先も増え『高い金額を払うからコメをくれ』という業者も増えている。新潟県はコシヒカリなどのブランド米もあり、JAとして全国的に流通させる責任がある。生産者に対して、ある程度の金額を出さないといけないということになった」

専門家は、60キロあたり2万3000円の概算金の場合、JAの手数料を上乗せするため、卸売業者による価格が、今の2万5876円より高くなると指摘します。
キヤノングローバル戦略研究所 山下一仁研究主幹
「今の史上最高の価格とほぼ同じ水準、あるいは、上回る水準で農協は卸売業者に売る。そうすると、今の(相対取引価格)2万6000円というのが5キロあたり4200円に対応。4200円という価格は下がらない。逆に上がる可能性がある」

さらに他の3人の専門家にも、今後のコメ価格を占ってもらいました(5キロあたりの予想額)。
【3人の専門家が占う「今後のコメ価格」】
・流通経済研究所 折笠俊輔主席研究員
新米が出るまで「下がる」。予想額は(備蓄米 流通で)3000円台。
新米が出たあとも「下がる」。予想額は(不作でない場合)2000円台。
・宇都宮大学農学部 松平尚也助教
新米が出るまで「下がる」。予想額は(追加放出分含めた備蓄米流通で)3000円台後半。
新米が出たあとも「下がる」。予想額は(備蓄米の買戻しで、再び高騰の可能性)3000円台後半。
・東京大学 鈴木宣弘特任教授
新米が出るまで「変わらず」。予想額は4000円台。
新米が出たあとも「変わらず」。予想額は4000円台。
新米が出回る秋までの価格について、備蓄米が流通するなどの条件はあるものの、1人が今の価格と「変わらない」とした一方で、2人が「下がる」と推測。
また、新米が出回ったあとの価格についても、1人が今と「変わらない」としましたが、2人が「下がる」と指摘しています。