7月に予定される参議院議員選挙まであと2か月余り。長野県区に立候補を予定している3人は、大型連休中も県内を駆け巡り支持を訴えました。立候補を表明した順にお伝えします。

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今月3日、歩行者天国になった長野市中央通りに立憲民主党の現職羽田次郎さんの姿がありました。

県区で5回の当選を重ねた兄・雄一郎さんの死去に伴い2021年4月の補欠選挙で初当選。

コロナ禍で行われた前回選では叶わなかった有権者との交流を図ろうと連休中は各地のイベント会場などをまわりました。

羽田次郎さん:「政権交代、そのホップステップのステップをしっかりと皆様と共に踏んでまいりたい」

翌日には安曇野市などを遊説。
訴えの柱は、食料品の消費税率ゼロパーセントなどの物価高対策です。

羽田次郎さん:「普通に暮らす一般の方々には重い値上げ。これをなんとしても軽減したい。その思いで党内の様々な議論がある中、私も食料品消費税率ゼロパーセント、引き下げていこうという議論、私も発言してまいりました」

遊説では衆議院で与党が過半数を割ったことで野党の提案が政策に反映されるようになったと説明、参院選でも「政権選択」を有権者に問う構えです。

立憲民主党県連 杉尾秀哉代表:「去年の秋の衆議院選挙の流れを、この夏の参議院選挙につなげていく。我々は予算の使い方を根本から変えたい」

支援体制を巡っては1日、国民民主党県連が県区で独自候補を立てず羽田さん支持の方針を明らかに。

また、信州市民連合を仲介役とした共産党や社民党との共闘に向けた調整も行われるなど態勢は整いつつある一方で、陣営では女性候補を擁立した自民への警戒感を強めています。

羽田次郎さん:「相手が誰であれ、結局自民党から出る以上自民党との戦いだと思っていますので、全力で対峙したいと思いますし、しっかり堂々と戦ってまいりたいと思います」

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買い物客などでにぎわう安曇野市の道の駅近くで、街頭演説の準備をするのは参政党新人の竹下博善さん。

長野市信州新町で造園業を営み、仕事を通じて実感した人口減少などの地域課題を解決したいと、去年の暮れに県区の新人としてはいち早く立候補を表明。

この日の演説では子どもや若者の自殺対策に取り組む姿勢を示しました。

竹下博善さん:「今の日本の教育のあり方、社会の仕組み、経済の仕組みがおかしなことになっているのではないか。自分の価値観を殺して、心を殺して生きていかなければいけないようなそういう社会ができあがっているんじゃないか」

このほか、消費税の廃止や社会保障の国民負担率の引き下げ、外国人による土地取引の制限なども主張しました。

竹下博善さん:「いまままで先人たちがつないできてくれた日本、長野県、私たちの手で守っていきましょうよ」

「今の政治に足りないのは庶民の感覚」とする竹下さん。

今後も、SNSを活用しながら週末を中心に街頭演説を重ねる予定です。

竹下博善さん:「国民の本当に望んでいる政治が行われていないのが現状だと思いますので、私だからこそ本当の庶民目線で本当の国民の声を届けていかなくてはいけない」

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小諸市郊外の菜の花畑。

花の見ごろにあわせて行われたイベントの会場ですこし遠慮がちに握手を求めるのは自民党の新人、藤田ひかるさんです。

藤田ひかるさん:「こどもか孫の世代かもしれないんですけど、元気いっぱいあるので、若い力で変えていくところを変えていきたい」

出身は神奈川県。外務省やコンサルティング会社を経て地方の活性化などに取り組みたいと父親の出身地である長野県から国政を目指すことを決意しました。

3月の正式表明以来、広い長野県区での活動を主導するのは県関係の国会議員や県議会議員。それぞれの地域で藤田さんに付き添い、企業・団体のあいさつ回りやイベント会場の訪問を重ねています。

藤田ひかるさん:「長野県 全部くまなくまわらせていただくことで、長野県の全体像が少しずつ自分の中で見えてきたなというところです。直接対話することの大切さをすごく実感した2か月間でした」

連休中には新しい試みとして「語る会」を企画。

支持政党などに関わらずSNSで参加を呼びかけたところおよそ15人が集まり地域課題や長野県の将来像をテーマに意見交換しました。

藤田ひかるさん:「地域の課題と同時に地域の取り組み、地域の魅力を学ばせていただく中で、活動を始める前に思っていた信州からだからこそ地方が輝く未来、これを実現できる、初めの思いは間違ってなかったなと」

7日、長野市内で行われた事務所開き。

県連の宮下一郎会長は2か月間の活動で浸透しつつあると評価し総力戦でさらに輪を広げていくと述べました。

自民党長野県連 宮下一郎会長:「多くの無党派層、若い世代、女性との接点も増やして、そうした皆さんにも藤田さんの思いをお伝えし、皆さんのご意見をうかがう機会を増やしたい」

物価高や人口減少など様々な課題が山積する中、今後の国政の行方を左右する政治決戦が近づいています。