大阪・ミナミにある“グリ下”と呼ばれるエリア。家や学校に居づらさを感じる若者たちのたまり場になっていた場所なのですが、万博の開幕直前に塀が設置され、若者たちは姿を消しました。「排除」にもうつる大阪市の対策について考えます。

万博開幕直前“グリ下”に「塀」設置 その目的とは…

4月13日に開幕した大阪・関西万博。大型連休初日には、開演前のゲートに長蛇の列ができていた。その熱気は、万博会場の夢洲から10キロほど離れたミナミの繁華街にも。

「戎橋」の上を埋めつくす外国人観光客。万博の開幕直前、インバウンドの更なる増加を見込んだ大阪市は“ある施策”に着手していた。

記者
「かつてこの辺りは座れる状態になっていて、多くの若者たちが夜中まで居座るという現象が起きていましたが、大阪市が居座り防止のための塀を設置しました」

大阪市が、約1600万円を投じて設置した長さ16.5メートルの「塀」。壁一面を覆い隠している。塀が設置されたのは、観光名所にもなっているグリコ看板の下。“グリ下”とよばれるエリアだ。

その目的について、大阪市は次のように説明している。

大阪市
「大阪・関西万博の期間中には、国の内外から多くの人がミナミを訪れることが見込まれる。環境改善の取組強化・啓発の一環として、橋の下への座り込みにより発生するごみのポイ捨てを防止する」