コメの価格が高騰を続ける中、今年も田植えの季節がやってきました。
私たちが食べる主食用米の需要が高まる一方で、今年は飼料用米の作付けを減らす動きが広がっています。
そんな中、主食用米を増やさない選択をしたコメ農家を取材しました。


これから本格化する田植えシーズン。
鳥取県南部町のこちらのコメ農家でも、5月半ばから始まる田植えを前に、その準備が始まっていました。
今年の作付けについて話を聞くと、全国的にある変化があるといいます。

合同会社清水川 庄倉三保子さん
「飼料米と食料米を作るけど、ほかの法人は飼料米がなくなって今年は食料米がすごく多い」

その背景にあるのが”コメの価格高騰”です。農林水産省によりますと、4月14~20日に販売されたコメ5キロあたりの平均価格は、前の週より3円上がり4220円。16週連続の値上がりとなりました。

これを受け各都道府県の水田の作付け意向は、主食用米は19県で増加傾向が示された一方、飼料用米は35県が減少傾向となりました。

合同会社清水川 庄倉三保子さん
「食料米が今年ご存じの通り足らないということで、食料米を育てているところが多い」

全国的に飼料用米の作付けが減少傾向にある中、こちらの会社では約13ヘクタールの田んぼで、例年通り主食用米と飼料用米を半分ずつ育てていく方針です。
一体なぜなのか聞いてみると…

合同会社清水川 庄倉三保子さん
「飼料用米がすごく足りなくって、足りないのでうちは今まで通りということでしているけど本当に足りないみたい。本当に足りないと、ウシもニワトリも困るので、少しでも手助けになればいい」

一方で、広くウシなどのえさとして使われるトウモロコシはトランプ関税の交渉カードとしてアメリカ側に示されていて、需要と供給の変化による価格変動と世界を取り巻く経済事情がそこかしこで静かに今年の田植えに現れそうです。