◇《安全性の向上と性能アップが、宇宙ビジネス成功の大きなカギ》

Letara(レタラ)共同代表 ケンプス・ランドンさん
「いまの宇宙輸送技術はかなりリスクの高いもの、リスクは爆発する…ドンと。1~3%で爆発するそんな車や飛行機には乗らない。まずは、そのバリアを突破することが最初の仕事だと思っている」

Letara(レタラ)共同代表 平井翔大さん
「いま世の中にある人工衛星用のエンジンは、ランドンが言うように、危険なものか…あるいは安全ではあるが、非常に速度が遅いもの。このトレードオフをわれわれの技術でなくしていきたい」

Letara(レタラ)では将来、開発した超高性能エンジンで、人工衛星だけではなく、月や火星にも到達するパワーを備えたいとも考えている。

◇《ロケット発射台を持つ民間宇宙港が、太平洋を臨む北海道のマチに》

 そして、宇宙ビジネスを巡る動きは、北海道の別のマチでも…。海を渡ってくるロケットの打ち上げが、間近に迫っていた。

北海道十勝地方の大樹町にある『北海道スペースポート』。ロケットの発射台を備えた民間の宇宙港である。現在、大型ロケットに対応した新たな発射場の建設が進んでいる。完成は来年9月の予定だ。

その『スペースポート』で、小型ロケットの打ち上げが迫っている。打ち上げを予定しているのは、台湾系のロケットベンチャー『jtSpace(ジェイ・ティー・スペース)』が所有する、全長約11メートルの小型ロケットだ。

これまでに何度も大樹町で、ロケットの発射を実施しているインターステラ社のロケット『モモ』と同じサイズだ。

画面左が2025年6月以降の打ち上げを予定している台湾系ベンチャー『jtSpace』の小型ロケット

台湾には、民間の発射場がないため、ロケットは分割して船で運搬。苫小牧港に陸揚げし、トラックで大樹町まで運ぶ計画だ。

『スペースコタン』マーケティングPRグループ 伊藤亮太さん
「北海道という場所は、北海道スペースポートを中心に宇宙産業に非常に適した場所になっているので、今後の北海道の主要な産業になっていく、主要な産業にしていきたいと思っている」「その可能性を皆さんに感じていただく機会になればいいなと考えている」

『jtSpace(ジェイ・ティー・スペース)』の小型ロケット打ち上げが、6月に実現すれば、大樹町では、およそ4年ぶりとなる。北海道で挑戦が続く宇宙ビジネス…その動きは、いま活発になっている。

◇《日本の宇宙ビジネス市場は4兆円規模…政府は倍増させる考え》

森田絹子キャスター)
地球の低軌道を周回する人工衛星の打ち上げ数は、右肩上がりのペースで増え続けると予測されています。現在、宇宙ビジネスの国内市場は4兆円ですが、政府は2030年代の早い時期に8兆円まで倍増させる考えです。

堀啓知キャスター)
大きな成長が期待できる、宇宙ビジネス。北海道がその拠点となれば、未来を担う人材が集まり、地域の大きな力になってくれそうです。特集でした。