Vox Mediaが生き残る理由
多くのウェブメディアが苦戦するなか、Vox Mediaはなぜ健闘を続けているのでしょうか。
絶好調というわけではありませんが、倒れずに頑張れている理由のひとつが、ビジネスモデルの多様化にあります。
Vox Mediaは、従来の広告収入だけに頼るのではなく、収益源を複数確保する戦略をとりました。例えば、The VergeやVox.comのようなテクノロジーやビジネスを扱う専門性の高いメディアでは、サブスクリプションモデルを導入しました。ユーザーから直接課金することで、収益構造の多角化を図っています。
そして、もうひとつの重要な柱がPodcast事業です。
屋台骨を支えるPodcast事業の成功
Vox Mediaの現在の状況を語るうえで、Podcast事業の存在は欠かせません。数年前の情報ではありますが、Podcast事業からの収益は日本円にして数十億円規模に上ると言われ、今や会社の屋台骨を支える大きな柱のひとつとなっています。
Vox Media内には「Vox Media Podcast Network」というPodcast事業を扱う部門があり、約150から200程度のPodcast番組を運営しています。この内訳は、Vox Media自身が制作する約30の番組と、傘下のSB Nationが扱う様々なチームに関する約100のPodcastをネットワーク化した、ユニークな形態となっています。
代表的なPodcast番組としては、Netflixでも配信されているニュース解説番組『世界の今をダイジェスト(原題:Explained)』の兄弟番組ともいえる「Today, Explained」が挙げられます。これは時事問題を毎日15分で解説する内容で、Podcastとしてだけでなく、全米120以上のラジオ局でも放送されるほどの人気番組です。