12歳から働くベテランも…教育受けられず“貧困連鎖”

危険と隣り合わせのこの山に50年以上通い続けてきた人もいます。

フリオさん(64)は、働き者として誰からも一目置かれる大ベテランです。

フリオさん(64)
「私は12歳のときから働き始めました」

その手には、懸命に働いてきた人生が刻まれています。

フリオさん(64)
「石とトロッコに手を押しつぶされてしまって、治療したけど元には戻らなかったよ」

若い頃から数え切れないほどの仲間が体を壊したり、事故に巻き込まれたりして亡くなっていったと話します。

フリオさん(64)
「食べていくのが精一杯で勉強する余裕なんてなかったんだよ。だから、多くの子どもたちが勉強をやめてしまうんだ」

ボリビアの義務教育は17歳までですが多くの家庭が貧困状態にあり、子どもを学校に通わせる余裕がありません。

状況は改善しつつあるそうですが、それでも農村部の子どもの6割ほどが小学校を卒業すると、何らかの仕事に就くともいわれています。

ポトシ市内の学校で教える エルナン・チャベス先生
「小学校で読み書きと簡単な計算ができるようになると、それ以上は学ばずに露店などの仕事に就く子もたくさんいます」

十分な教育が受けられないことで、次の世代にも貧困が引き継がれてしまう悪循環が起きています。