「もう一度勉強を」家族のために働くネイマールくん 仕事に誇りも

家族のために“人喰い山”で働き始めたネイマールくん。一人前の鉱山労働者になったら、もう一度勉強を始めたいと考えています。

ネイマールくん(14)
「いまは仕事を頑張るときです。でも将来は夜間学校に行って勉強しようと思っています」

学校に通う同じ年代の子どもを見ると、落ち着かない気持ちになるそうです。

でも、鉱山労働者としての仕事に魅力と誇りも感じています。

ネイマールくん(14)
「疲れる仕事だけど、仲間と助け合えるので楽しいし幸せです。お金を家に持ち帰ると家族も僕のことを誇りに思ってくれるんだ」

ネイマールくんは自分と家族の未来のために、“人喰い山”できょうもトロッコを押しています。

真山さん「“かわいそう”だけではなく“自分ごと”として考えて」

小川彩佳キャスター:
今回の取材をみて、どう感じましたか。

小説家 真山仁さん:
こういう映像を見ると「かわいそう」というのが、第一の感想だと思います。「日本で生まれてよかった」と言うかもしれません。しかし、どこで生まれるかは自分で決められませんから、もしかしたら(自分も)こうなっていた可能性があります。

こうした現状を知ったときに、募金して終わりなのかというと、そうではないと思います。

彼(ネイマールくん)の顔を見ると、非常に生き生きして、確かに(仕事に)誇りを持っています。

ネイマールくんは「まず働く」と言っていて、ある意味でそうだと思う一方で、「まずは勉強をさせたい」と思う我々は何ができるのか考えたいです。まずは自分も彼らを応援できるだけの結果を出さなければいけないでしょう。

自分は自分で頑張ったその先で、ネイマールくんのような子どもたちに、勉強することでインセンティブを上げられるような社会・労働の代わりに勉強で報酬をあげるような社会を作ってあげなければいけません。

そういう意味では、ドキュメンタリーを見て、明日から何をしようと“自分ごと”として考えて欲しいと思います。

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<プロフィール>
真山仁さん
小説家 「ハゲタカ」「ロッキード」など
最新著書に「ロスト7」