大分県豊後大野市の自然が織りなす神秘の世界へ
宮崎県からほど近い、隣県にある「県境おすすめスポット」をシリーズで紹介します。
今回は春の陽気に誘われて、大分県豊後大野市へ小旅行に出かけてみませんか?
自然が創り出した幻想的な世界が広がる稲積水中鍾乳洞から、東洋のナイアガラと称される原尻の滝まで、豊かな自然を満喫できる魅力的なスポットをご紹介します。
3億年の時を刻む稲積水中鍾乳洞

宮崎市から車でおよそ2時間、豊後大野市に到着すると、まず訪れたいのが稲積水中鍾乳洞です。

入り口に立つと、ひんやりとした空気が漂い、まるで別世界に足を踏み入れたかのような感覚に包まれます。

この鍾乳洞の歴史は遥か昔、約3億年前にさかのぼります。元々存在していた洞窟が、約9万年前の阿蘇山の大噴火によって水没し、現在の水中鍾乳洞が形成されました。1976年に調査が開始され、その長さは約1キロにも及ぶことが判明。日本一の長さを誇る水中鍾乳洞として知られています。
洞内に一歩足を踏み入れると、青いライトに照らされた鍾乳石の幻想的な姿に目を奪われます。1センチの形成に約100年もの歳月を要するという鍾乳石の成長速度を知ると、目の前に広がる景色の壮大さに息を呑みます。

特に注目したいのは、洞内最大の石柱「黄金柱」です。直径1.3メートル、長さ10メートルという圧倒的な存在感で、訪れる人々を魅了しています。
さらに奥へ進むと、仏様の形に似ていることから「仏の里」と呼ばれる鍾乳石や、寄り添うような形から「夫婦石」と名付けられた鍾乳石など、ユニークな造形美を楽しむことができます。