宜野湾市にある普天満宮洞穴で、国内最古級とみられる旧石器時代のイノシシの牙製品などが発見されました。

旧石器時代の遺物を発見したのは、沖縄国際大学考古学研究室のメンバーで、2022年から普天満宮洞穴で発掘調査を行っています。

去年8月、これまでに出土した遺物について詳細な分析を進めた結果、約1万8000年から1万7000年前の地層から見つかった破片に、人為的な加工の痕跡が確認され、イノシシの牙を使った製品であることが判明しました。

県内で、旧石器時代のイノシシの牙製品が出土したのは今回が初めてで、調査にあたった新里教授によりますと、国内最古級とみられるということです。

また、同じ地層から見つかったイノシシの骨には、肉を解体する際などにできると考えられている「カットマーク」が確認され、約1万8000年から1万7000年前にはイノシシ猟が行われ、さらにその牙を使った製品作りが行われていたことが推測されます。

沖縄国際大学社会文化学科 新里貴之 教授
「旧石器文化、更新世文化というのは実は数千年の空白があるんですね。そこを徐々に埋めていく、そういう史料になると思います」

このほか今回の調査では南城市のサキタリ洞で発見された貝の器と同様のものが出土したほか、リュウキュウジカなどの絶滅が3万3000年前よりも古い時代であることがわかりました。

考古学研究室は今後も研究・分析を重ね、その実態を解明したいとしています。