なんとバスがロータリーを回っている間に、出口付近まで走って、もう一度見送っているんです。
さらに、観光旅館になった際、もう一つ変化したことが。
--吉野徹彦さん(代表取締役社長)「団体客のお客様をメインに営業しています。バス会社の方や、バスガイドさん。そういった方々が送客してくださるおかげで、八幡屋は経営が成り立っている。その旅行業者様というのもお客様として考えております。」
そう、個人客だけでなく、団体客を重視した経営にも注力。旅行会社やバス会社との付き合いも大切にすることで、多くの信頼関係を築きあげ、より選ばれる旅館へと進化しました。
そんな八幡屋を率いる吉野さん。奥様の実家である八幡屋の社長に就任したのは、去年12月のこと。それまではこんな業種に勤めていました。
--吉野徹彦さん(代表取締役社長)「航空会社のパイロットとして、国内線・国際線の運航に携わってきました。」
なんと元パイロット。機長として、アメリカやヨーロッパなど長距離国際線のフライトを担当していたんです。
--吉野徹彦さん(代表取締役社長)「元々地方創生やまちおこしに興味があって、パイロットとして働きながらMBAの取得を目指して経営大学院に通い始めていました。」
--番組スタッフ「プレッシャーとかありましたか?」
--吉野徹彦さん(代表取締役社長)「プレッシャーはありましたが、自分が思っている地方創生の取り組みだとか、そういったことは今、日本各地で問題になっていることですので、温泉文化を通じて、この母幡を発信地として全国に広げていきたいという思いがありますので、それに共感してくれる人は必ずいるんじゃないかと信じて、この仕事を引き受けました。」
八幡屋だけではなく、ひいては母畑エリアの活性化を目指す。そこにはこんな思いがありました。
--吉野徹彦さん(代表取締役社長)「震災のときもコロナのときもそうなんですけれど、昔から利用してくださっているリピーターのお客様がまた八幡屋に来てくださるということで、存続している。地域の皆様とともに歩んでいければと思っています。」
苦しいときに支えてもらった、地元の人たちと一緒に。地域イベントなどで交流の場を設ける他、
地元の人たちにより癒しの場を提供しようと、ラウンジを活用したカフェをオープンすることも計画しています。
--吉野徹彦さん(代表取締役社長)「これまでは自分の夢であるパイロットの仕事を志しとしてきましたが、それはあくまで自分のためなんですね。これからはこの八幡屋の経営を通して、温泉文化を大切に守りながら、人のため、地域のためになる活動をしていきたいと考えています。」
これまで受け継がれてきたおもてなしを大切にしながら、母畑温泉の魅力をより多くの人へと発信する新生・八幡屋のフライトはまだ始まったばかりです。
『ステップ』
福島県内にて月~金曜日 夕方6時15分~放送中
(2024年4月24日放送回より)