福島県内で長く愛されている老舗の今を伝える『老舗物語』。今回は150年近く続く石川町の温泉旅館です。人のため、地域のため。長く愛されてきた秘訣と、元パイロットの社長が目指す地域の姿に注目しました。
石川町にある温泉旅館 母畑温泉『八幡屋』。創業は1880年、明治13年。「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」では、これまで何度も上位にランクインするほど、旅行のプロの折り紙付き。
ゆったりと過ごせる客室は、全部で145室。収容可能人数はなんと800人。全国に誇れる大規模な温泉旅館です。
そんな八幡屋で今注目なのが、2019年にオープンした別館『帰郷邸』。モダンな雰囲気の館内で目を引くのは、石!石!石!そう、ここは石川町を象徴する「ペグマタイト」を多く使い、町の原風景をテーマとしているんです。
帰郷邸自慢のお風呂が、こちらの『展望大露天風呂』。施設によって異なる景色を見ながら、思い思いにくつろぐことができます。
そして今の時期おすすめのお食事がこちら。極上の肉にアワビが丸ごと入った贅沢なお鍋。これはたまりませんね!
八幡屋が位置する母畑温泉。その始まりは、およそ900年前と言われています。
--吉野徹彦さん(代表取締役社長)「源義家の時代に愛馬の傷を癒したと言われておりまして、その頃からこの地の温泉の存在は知られるようになりました。」
母畑温泉は東北でも有数のラジウム含有量を誇り、古くから湯治湯として親しまれてきました。
八幡屋も、創業から昭和の後期までは湯治旅館として営業。観光旅館へと大きく舵を切ったのは、昭和58年のことです。
--吉野徹彦さん(代表取締役社長)「お客様を待っている旅館のスタイルから、全国から人を呼んでいきたいという思いがありまして、旅館を大型化していったと聞いております。」
大規模な観光旅館へとシフトした際、今でも大切に受け継がれているこんな企業風土が誕生しました。
--八幡屋スタッフ「いらっしゃいませ。」
スタッフ1人1人が行う、洗練された“おもてなし”です。
--吉野徹彦さん(代表取締役社長)「八幡屋の経営理念は、社員第一主義、お客様第一主義です。まずは社員1人1人が生き生きと働ける環境を整えることで、その結果としてお客様にも心地よい空間とサービスを提供できると考えています。」
そのおもてなしの一例がこちら。見送りが終わったかと思いきや、何やらスタッフが一斉にダッシュ!