資料が乏しく「謎の部隊」とも称される大分海軍航空隊。その内部構造を最新の3D技術を使用し、よみがえらせようという試みが進められています。

取り組んでいるのは、昭和史研究家の高野寿穂さんです。高野さんは、大分県内に残る戦跡を、3Dアプリを活用して立体的に再現する活動を続けていて、現在は特に情報が少ない大分海軍航空隊の再現に力を注いでいます。

高野さん:
「大分航空隊にあった掩体壕を作って、地図の中に配置していったら他の建物も作りたくなっていきました」

大分海軍航空隊は1938年12月に設置され、終戦までの約6年間機能していました。しかし、詳細な記録はほとんど残されておらず、その内部構造は長らく謎に包まれてきました。

高野さんは、当時の写真を徹底的に収集。上空からの画像をグーグルアースに重ね、位置と大きさを細かく調整。3D画面上に表示される影の長さから建物の高さを割り出し、正確な立体構造を再現していきます。

高野さん:
「(当時)整備の学徒動員で来ていた人に、この地図を見せたが、ほとんど覚えていないんですよ。『余計なところには行くな』と言われていたから、内部を詳しく知らされていなかったのでしょう」