大分海軍航空隊を調べている郷土戦史研究家の亀田雅弘さん。高野さんが作成した画像をもとに、隊員の動線や施設の配置を把握し、研究に役立てています。

また、隊員だった惣門秀男さん(福岡県飯塚市出身)が遺した回顧録には航空隊内部の詳細が記述されていて、貴重な情報源として活用しています。

惣門秀男さん回顧録

亀田さん:
「惣門さんたちがこの誘導路に沿って飛行場に飛行機を出していた。こうした地図にしないと説明が難しいです。立体に落としてパソコンの中で再現するというのは、有効な手段ではないかなと思います」

激動の時代を潜り抜け、戦後その役目を終えた大分海軍航空隊。戦後80年を迎える今、その実態をデジタル技術でひも解く高野さんの取り組みは、これからも続きます。

昭和史研究家・高野寿穂さん

高野さん:
「大分航空隊と隣接する第12航空廠の建物を仕上げています。過去を仮想現実として目でとらえられるようにがんばっていきたい」

時代を超えてよみがえる戦争の記憶。その可視化は、次世代への貴重な橋渡しとなりそうです。