文部科学省はきょう、私立大学の在り方を検討する有識者会議を開き、大学が新しく学部を設置する際の審査基準を厳格化する案について、議論を始めました。

きょう開催されたのは、急激な少子化を見据えた私立大学の経営の在り方についての有識者会議です。大学に入学する年齢の「18歳人口」は、今年1月時点で109万人ですが、15年後の2040年には74万人に減少する見通しです。

そのため、私立大学の経営は厳しさを増していて、日本私立学校振興・共済事業団の分析では、私立大学の2割(24%・136学校法人)は「経営が困難」な状況にあり、そのうち17の学校法人(3%)は「自力での再生が極めて困難」な状況です。

こうした中、文科省は、大学の突然の閉鎖などによる混乱を避けるためにも、大学の再編は避けられないとみて、統廃合や定員削減などによる“規模の適正化”をすすめています。

一方、私立大学は、新しい学部を設置して大学の魅力を高め、生き残りをはかろうとする動きがありますが、「安易な新設は規模の適正化を妨げる」などの懸念が有識者から出ていました。

現在、文科省は定員の「5割以下」の学部が一つでもある大学には学部の新設を認めていませんが、この審査基準をさらに厳格化して、2027年以降「7割以下」に引き上げる方針です。