市民の声に耳を傾け、より良いサービスを提供しようと奮闘する企業や従業員に対して、理不尽な要求や暴言を繰り返す一部の人たちが、現場を深く傷つけています。カスタマーハラスメント(カスハラ)について、広島の現状を取材しました。
末川徹記者
「JR広島駅の改札口近くには、ポスターが設置されています。『知らないうちにカスハラしてませんか?』と注意を呼びかけています」
JR西日本は、駅員や乗務員への迷惑行為があとを絶たないことから、初めてポスターを制作しました。暴力的な言動や長時間の拘束など当てはまるものが、イラストで表現されています。

管内の主要駅に約1000枚が掲示されていて、意識改革につながることを期待しています。
帝国データバンクのアンケート調査によりますと「直近1年以内にカスハラなどの被害を経験」した中国地方の企業は、約15%となっています。
業種別では、個人の消費者を相手とする「小売」が最も高く、不動産やサービスが続きました。

具体的には「容姿や接客に対する不満を押し付けてきた」「製品に不具合はないが、過剰な要求を執拗にされた」といった被害がありました。
不動産で勤務
「購入から住めるまで期間が長い。『日焼けするから値引きしろ』と(周りが)言われたことも」
金融機関で勤務
「電話は顔が見えない。過去いろいろ言われた。録音されてネットにあがると、ずっと残る」