親を亡くした高校生などを支援する、あしなが育英会奨学金は深刻な資金不足によって支給できるのは希望者の半数以下にとどまっています。募金活動を続ける学生の思いを取材しました。

4月19日、大分市中心部で県内の高校生や大学生などおよそ40人が街頭に立ち、募金への協力を呼びかけました。募金は病気や災害で親を亡くしたり親が働けなかったりする子どもたちへの奨学金に活用されます。

高校生を対象にした奨学金の採用率は2022年以前は80%以上で推移していましたが2024年度には40%以下まで落ち込んでいます。

背景の一つには制度の変更と物価の高騰です。2023年度からそれまでの「貸与と給付の併用型」から「全額給付型」へと変更。また、物価の高騰にともなって申請も増加して結果、資金不足となっています。

別府市の立命館アジア太平洋大学3年生の藤井心音さんは幼少期に父親が障害によって十分に働けなくなり、高校時代からあしなが育英会奨学金の支援を受けています。

(立命館アジア太平洋大学3年生・藤井心音さん)「あしなが育英会の奨学金がなかったら、私は大学に進学できていないので、こうやって大学に進学できて大学で勉強して人生の選択肢が広がった気がして、すごい本当に感謝しています」

また、心音さんは2023年にあしなが育英会が主催するサマーキャンプにも参加。仲間との絆が心音さんの心の支えになっていて今回、1人でも多く希望者の採用につなげたいという思いがあります。

(藤井心音さん)「まずはあしなが学生募金という名前をたくさんの人に知ってもらいたいなと思います。知ってもらうことから始まると思うので」

あしなが学生募金は4月26日と27日にも大分市のJR大分駅前などで行われます。