宮城県大郷町のスポーツパーク構想を巡り、議会解散を問う住民投票について、実施に向けた署名は一部が無効で、住民投票は成立しないとして、町議3人が町を相手取り起こした裁判が始まりました。
町側は、有効署名数は住民投票に必要な数を満たしているとして、全面的に争う姿勢を示しました。

宮城県大郷町が進めるスポーツパーク構想は、農地にサッカー場や宿泊施設を建設するもので、一部の町民が、構想に反対する議会の解散の是非を問う住民投票を行うため署名を集めました。

住民投票の実施に必要な署名数は、有権者数の3分の1の2127人分で、集まった有効署名数は2135人分でした。
この裁判は「署名の中に代筆が疑われるものや筆跡が同じものが複数ある」などとして、町議3人が住民投票の無効などを訴えているものです。

23日の仙台地裁で開かれた第1回口頭弁論で、原告側は「有効署名数が足りないため住民投票は成立しない」などと訴えました。

一方、町は有効署名数は住民投票の実施に必要な数を満たしていると主張しています。

住民投票は、4月20日に実施される予定でしたが、4月8日、仙台地裁は「有効署名数が住民投票の実施に必要な数を下回る可能性がある」として、住民投票の一時停止を決定し、町は20日の住民投票の実施を見送りました。
裁判は、今後5回の審理を経て夏にも判決が言い渡される見通しです。