裁判所 2700万円の支払い命じる

福岡地裁 小倉支部

真っ向から対立する双方の主張。

2025年2月、福岡地裁小倉支部は、配車差別が不当労働行為にあたると認定した。さらに、運転開始前の20分間を「勤務」と認め、東輪ケミカルに対し、3人に合わせて2700万円あまりを支払うよう命じた。

2700万円あまりには、未払い賃金のほか、不当な配車による給与低下に対する損害賠償、そして付加金が含まれている。「付加金」とは、未払い賃金に対する会社への制裁にあたるものだ。

福岡地裁小倉支部 判決より「長距離乗務や休日出勤が給与の相当割合を占める労働事情の下、どの従業員にも時間外労働を命じることができるのにもかかわらずあえて松尾さんらに時間外労働を命じないのは、労働組合員であるが故の差別的取り扱いである。配車措置は、労働組合に加入して未払賃金を請求するという松尾さんらの正当な権利行使を継続的に妨げる目的で行われたと推認される」

一方、裁判で松尾さんたちは、長時間の駐車中も「勤務時間」だと主張したが、これは認められなかった。

それでも、松尾さんは安堵の表情をみせた。

トラック運転手 松尾宏忠さん「素晴らしい結果を裁判所が出していただいたんじゃないかなと私どもは考えております」