熊本市への妊娠葛藤相談件数が、昨年度、過去最多を更新したことが明らかになりました。
これは、熊本市にある慈恵病院の「こうのとりのゆりかご」の運用を検証する熊本市の専門部会で4月23日に報告されたものです。

会議では、親が育てられない赤ちゃんを匿名でも預かる「こうのとりのゆりかご」の運用について、預け入れた状況に事件性はないか、病院側の受け入れに問題はないか、専門家が検証しています。
去年10月から先月までの運用については

熊本市こども家庭福祉課 船津真理亜課長「運用体制に刑法上の明らかな違法性は認められませんでした」
一方、昨年度の妊娠に悩む人たちからの相談件数も発表され、熊本県と熊本市、慈恵病院がそれぞれに設置している窓口に、あわせて4115件の相談があったことが明らかになりました。

このうち、熊本市は2661件で「こうのとりのゆりかご」が開設した2007年度以降、最も多くなっています。

熊本市は去年4月「妊娠内密相談センター」を設置していて、「相談窓口の充実が件数の増加につながった」と分析しています。
かたや、慈恵病院への相談は、2023年度より200件以上減り、過去10年で最も少ない件数でした。
熊本市は「相談窓口が全国的に増えたことで病院への相談が減った」と見ています。
慈恵病院は「他の相談窓口に相談しても解決せず、病院を頼るケースもある」と指摘していて、今後も相談体制を強化する必要があるとしています。