スマートフォンやモバイルバッテリーなどに使われる「リチウムイオン電池」についてです。全国で相次ぐリチウムイオン電池の火災。便利さの影に潜む発火リスクと適切な捨て方についてまとめました。
街の人(女性)
Q、モバイルバッテリーは使っている?
「使っています、充電がなくなりそうになったときに使う。これなしで外出するのは不安…」
街の人(男性)
「必需品です」
街の人(別の男性)
「スマホ決済時にたまに充電が切れていて困る」
私たちの生活に欠かせないスマートフォンなどの電子機器に使われているのが、リチウムイオン電池です。くり返し充電でき便利な反面、リスクも潜んでいます。

長期間の使用で劣化すると内部にガスがたまり、膨らむことがあります。この状態で強い衝撃を受けたり、充電時に発熱したりすることで発火するケースがあります。
梅川千輝記者(気象予報士)
「気温が高くなってくるこれからの時期は、リチウムイオン電池が使われるスマートフォンやモバイルバッテリーなどの車内の置き忘れにも注意が必要です」

【実験映像提供:NITE】
こちらの映像は気温およそ27℃の日に撮影したものです。モバイルバッテリーを置いたダッシュボード付近は直射日光が当たり、およそ60℃まで上昇。このまま車内に放置すると…。およそ3時間で発火しました。
国と県によりますとリチウムイオン電池が原因の火災は、2023年度に全国で8,543件。県内では165件起きています。広島市でも去年9月、事業ごみの収集にあたっていたパッカー車が焼ける火事がありました。
こうした状況を受け環境省は全国の市区町村に対し、家庭で不要になったリチウムイオン電池の分別回収などの徹底を求める通知を出しました。
広島市環境局業務第一課 喜田賢課長補佐
Q、可燃ごみの日にリチウムイオン電池が混ざっていると大変なことになる?
「そうですね。ごみ収集のパッカー車でごみを巻き込むときに、金属部分に触れて強い衝撃が加わり、発熱・発煙・発火することがある」

リチウムイオン電池の捨て方はそれぞれの地域で異なります。人口やごみ処理施設などハード・ソフト両面の整備に違いがあるため、「捨て方」を一律にするには難しい背景があります。
街の人(女性)
Q、適切な捨て方は知ってる?
「知らない…」
街の人(男性)
「電子機器系は捨て方が分からないという認識で止まっている」
「正しい捨て方」の周知が共通の課題となっています。
入学や転勤など新生活がスタートする4月に、改めて自分が暮らす自治体のホームページなどでごみの出し方を確認する必要があります。
広島市環境局業務第一課 喜田賢課長補佐
「市民の協力なくしては、リチウムイオン電池による火災をゼロにはできない。火災が発生しない状況を一緒に作っていきたい」
【広島市のリチウムイオン電池の捨て方】
◇月2回「有害ごみの日」に収集
◇ビンなどの「資源ごみ」と同じ日なので、袋に「有害」などと書いて区別
◇電池の両極をセロハンテープで止める など
【福山市のリチウムイオン電池の捨て方】
◇年4回「燃やせる粗大ごみの日」に収集
◇セロテープなどで止めて絶縁した状態で袋に入れて捨てる
◇使い捨ての乾電池などとは別の袋に入れて捨てる
【呉市のリチウムイオン電池の捨て方】
◇月1回「有害・危険ごみの日」に収集 など
詳しいごみの出し方は、お住まいの自治体ホームページなどをご確認ください。