宮城県角田市では、毎年この時期、菜の花が見ごろを迎え、黄色いじゅうたんが訪れる人を出迎えます。ところが、2025年は菜の花の生育が悪く、いつもの年とはまったく異なる光景が広がっています。何が起こっているのか取材しました。

黄色い可憐な花を咲かせる菜の花。宮城県角田市の阿武隈川沿いの河川敷には、菜の花畑が広がっています。

しかし、あたりを見回すと、菜の花が生えておらず、土がむき出しになっている場所が目立ちます。

2024年4月に同じ場所で撮影した菜の花。約250万本が植えられ、一面に黄色いじゅうたんが広がっているようです。

2025年に開花したのは、例年の2割から3割にとどまっています。会場全体を見てみると、開花どころか、芽も出ていないところが目立ちます。背丈も例年の3分の2程度の高さまでしか伸びていません。

角田市の担当者は、種をまいた後の悪天候の影響を指摘します。

角田市商工観光課 加藤久美子課長補佐兼係長:
「10月に種をまいてもらったが、その後の乾燥や強風が主な原因ではないかと考えられる。雨が少なかった所と、春先に、害虫が確認されたり、そういった所がいつもの年とは違った状況かなと考えている」

22日は、一面の菜の花畑を楽しみに訪れた人もいて、残念がる声も聞かれました。

見に来た人:
「ここ10年以上来ている。こんなの初めてで寂しい」
「前に来たことがあるが、その時から見るとと量は少ないがきれい。今年は暴風が多かったので、多分それ(が原因)なのか」

菜の花は、例年1月下旬に芽を出します。しかし、南側のエリアでは発芽しなかった場所が多かったということです。

角田市産業建設部商工観光課 加藤久美子課長補佐兼係長:
「これが発芽した菜の花。この部分が芽が出なかった。遅れて発芽するのではということで、状況を見守るという感じだったが(発芽しなかった)」

角田市でこの時期開催される菜の花まつりは、2025年で28回目。ここまで開花しなかったのは初めてだということです。

それでも、菜の花の咲いている場所では、春らしい雰囲気を感じることができ、訪れた人が、蔵王の残雪をバックに写真を撮るなどして散策を楽しんでいました。

市の担当者によりますと、菜の花は摘み取って持ち帰ることも可能で、多くの人に訪れて欲しいと話しています。