去年から被害が相次いでいる『先払い買い取り』。ネット上で「商品券などを高値で買い取る」とうたい、商品の画像だけを送らせて代金を前払いして、後日「商品が届かない」として高額な違約金を請求するというものだ。こうした手口は“違法なヤミ金”にあたるのではないのか。業者を直撃してその実態に迫る。
『先払い買い取り』の実態は“違約金ありきの貸し付け”か

(Aさん)
「職場とか実家なんかに連絡が行っていたんじゃないかと思うとちょっとゾッとするなというところはありますね」
大阪府内に住む会社員のAさん(44)。ギャンブルにはまって借金が膨らみ、約10年前に債務整理をした。ギャンブル依存脱却のプログラムを受けていたが、去年9月、パチンコについ手が出て貯金が底をついたという。そこで…。
(Aさん)
「たまたま手持ちがちょっと出費があって足りないなと思った時に、ふとネットで見かけて申し込んだのがきっかけですね」
それが『先払い買い取り業者』。ホームページには「WEBから申込でき、面倒な手順は一切必要なし」「当日現金化」などと書かれている。
![]()
Aさんが利用した先払い買い取りの仕組みはこうだ。Aさんは業者に対してネットで検索して出てきた商品券の画像を送る。業者は数時間後に買い取り代金として1万円をAさんに先払いする。商品券を送る期限は給料日だったが、実際には商品券を持っていないため、業者から違約金2万円を請求されて支払った。
![]()
Aさんは商品券を送らず違約金を支払ったのに、業者はさらなる取り引きを持ちかけたという。
(Aさん)
「はじめは1万円借りて2万円返します。そうなると当然お給料は2万円減って苦しくなるんですけど、そうすると業者が『1回ちゃんとやってくれたので今度は2万円買い取りますよ』と」
![]()
つまり、商品券の買い取りは建前で、実際は違約金ありきの貸し付けだったというのだ。Aさんはこの先払い買い取り業者と取り引きを繰り返して、違約金が支払えなくなったため、別の業者とも取り引きを始めた。結局4か月後には7社に計約30万円の借金を抱えたという。
(Aさん)
「雪だるま式に膨らんでいって一気に3か月4か月でどうにもならないような状態になった。お給料の手取り分を超えるくらいの金額になっていまして。これはどうにもならんなと」














