今年は、団塊の世代全員が75歳以上の後期高齢者となり、雇用や医療、福祉など幅広い分野で影響が広がると懸念されています。いわゆる「2025年問題」です。訪問介護の現場では深刻な人手不足に加え、職員の高齢化という課題に直面しています。
ヘルパー7割が高齢者、中山間地域では効率上がらず
大分県にある豊後大野市社会福祉協議会が運営する「ヘルパーステーションぶんごおおの」では、現在23人のホームヘルパーが訪問介護サービスを担っています。このうち17人が65歳以上の高齢者です。さらに定年を段階的に75歳まで引き上げてきましたが、2年前に定年制度そのものを撤廃。人手不足のためです。

左右知新一常務理事:
「職員の名簿ですが、70歳以上の方が多く、最高齢は76歳。募集してもなかなか応募がない状況です」
同ステーションに20年以上勤務するホームヘルパーの佐藤ちよ子さんは、現在73歳。この日は一人暮らしの92歳の男性を支援していました。
佐藤さん:
「腰の手術をしたあと、年末に転んで圧迫骨折して、いまコルセットを付けています。バリバリ元気だったら働けると思うけど、自分的には75歳まで目標を立ててがんばるかな」

支援先までは車で片道40分以上、中には1時間かかる場所もあります。訪問介護の報酬は、サービスの提供回数などに応じて支払われます。長距離移動となる中山間地域では、効率が上がらない問題も抱えています。