「10年間で500件以上の罪を犯した」“最恐ギャング刑務所”内部は

2019年、こうした状況のもとで誕生したブケレ政権。ギャング対策を最大公約とし、司法手続きを経なくても逮捕を認めるなど、強権的な措置で世界最悪だった殺人事件の発生率は劇的に改善しました。

そのブケレ政権の象徴が、「テロリスト監禁センター」です。
2024年8月、特別な許可のもと私たちの取材に応じた受刑者は...

ギャンググループ元リーダー
「10年間で500件以上の罪を犯した。殺人、暴動、テロ行為だ」
施設の責任者は、刑務所の秩序を維持する手段として監房に隣接する「懲罰房」の部屋を紹介しました。

記者
「一度ちょっと体験してみてはどうかということで、中に入ってみます。真っ暗です」
トラブルを起こすなどした受刑者は、この真っ暗な懲罰房に入れられます。法律では15日間までこの部屋に隔離することが認められているということで、初めは反抗的な受刑者もすぐに“従順”になるそうです。

刑務所の責任者
「食事は通常3回。監禁中は医師が常に監視しています」
エルサルバドル政府は、ギャングを「テロリスト」と定義し、受刑者たちは原則として24時間365日、この建物の中で過ごします。「社会復帰させない」ことが前提で、家族はもちろん、外部との接触は一切認められません。

この巨大刑務所の定員は4万人。現在収容されているのは2万人程度とみられます。
今、その空いているエリアに、トランプ政権が移送したベネズエラ人らが収監されています。














