習近平主席の東南アジア歴訪と国際社会へのアピール
米中間の緊張が高まる中、習近平主席は14日から、カンボジア、マレーシア、ベトナムといった東南アジアの国々を歴訪します。これらの国々は、かつてトランプ大統領が相互関税の対象としてリストアップしていた国々であり、アメリカの保護主義的な政策に警戒感を抱いています。習主席の訪問は、「トランプ大統領に翻弄される国々」との連携を深め、「大局観を持つ指導者」としてのイメージを国際社会に示す機会となりました。
世界経済への影響と日本の立ち位置
アメリカが自由貿易の旗手を降り、ルールを度々破る一方で、かつて知的財産権侵害などで批判されてきた中国が「正義」を訴えるという状況は、国際秩序の大きな転換を示唆しています。米中対立の激化は、世界経済に大きな不確実性をもたらし、各国は自国の経済戦略の見直しを迫られています。日本もその例外ではなく、米中間の動向を注視し、多角的な視点から経済政策を検討していく必要に迫られています。
◎飯田和郎(いいだ・かずお)

1960年生まれ。毎日新聞社で記者生活をスタートし佐賀、福岡両県での勤務を経て外信部へ。北京に計2回7年間、台北に3年間、特派員として駐在した。RKB毎日放送移籍後は報道局長、解説委員長などを歴任した。