個人が造った隧道⁉ 絵葉書に載る隧道を大調査

続いて訪れたのは、紀北町。

(道マニア・石井あつこさん)
「“三重?赤岩隧道”って書いてある古い絵葉書を見つけた。そこを訪ねたい」

石井さんが、廃道のリサーチの中で偶然発見。2人は、絵葉書に載っている「赤岩隧道」を探しに行きます。赤岩の近くにある小山に行くと、茂みの中にこぢんまりとした隧道を発見!

(道マニア・石井あつこさん)
「この隧道が、絵葉書の隧道だと思う」

天井が低く、手前はコンクリート巻き、奥は素掘りの状態。扁額はなく、隧道の詳細が分かりません。近くの集落で聞き込みしたところ、この隧道がまさに絵葉書の「赤岩隧道」であることが判明。「先代の人が一人で、蚤(のみ)で掘った」と言います。

紀北町は大部分を森林が占めていて、昔から林業が盛んな地域でした。かつては奥地で伐採した木を筏(いかだ)で川に流し運び、海沿いの貯木場に集め、そこから必要な材木を町の製材所へ運搬していました。

そこで、この町で製材所を営んでいた人が地域の利便性を図るため、人道用として「赤岩隧道」を個人で掘削。貯木場から材木を大八車(だいはちぐるま)に乗せ、「赤岩隧道」を使って運搬していたそう。

また、東南海地震が起きた際や戦争時には、「赤岩隧道」へ避難することもあったと言います。

2024年7月16日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より