環境への配慮などが評価され「世界一住みやすい都市」といわれるオーストリアのウィーン。しかし、高齢女性の貧困が社会問題となっていて、再び社会に出て活躍する場が注目されています。
キッチンでケーキを作るカトリンさん、67歳。ここは自宅ではなく、カフェです。
カトリンさん(67)
「同僚を見ていても、みんな年を取らない気がします」
オーストリアのウィーン市にあるこちらの店では、60歳以上の従業員が50人以上も働いています。カトリンさんは定年まで看護師として働き、その後、母親を亡くして生きがいを失っていた時に、この店を知りました。
カトリンさん
「5時間働いて家に帰ると、楽しかったなと思います」
独自のレシピで作るケーキは昔から子どもたちに作っていたもので、「懐かしい味」として地元の人たちを魅了しています。
カトリンさん
「卵をいくつ入れたか忘れてしまいました。たぶん8個…」
ただ、彼女たちが働くのには、こんな理由が。
接客担当として長年働く ドリスさん(71)
「年金だけでは生活できないという高齢者が、このカフェで週に5時間か10時間働いて収入を得ることができます」
ウィーンは、イギリスの専門誌で環境への配慮や芸術との共存などが評価され、「世界一住みやすい都市」に3年連続で選ばれています。一方で、物価が上がるなどして、年金を受け取る一人暮らしの女性の3割ほどが貧困のリスクにさらされていて、社会問題になっているのです。
接客担当として長年働く ドリスさん
「女性はパートタイムの仕事だったり、子育てがあったりして、年金が少ない人が多いのです」
さらに別の場所では…。
記者
「高齢者施設の地下なのですが、ブリュワリーがあり、高齢者の皆さんがビールを手作りしています」
市営の施設で、入所する80歳以上の高齢者たちがビールを一から手作りしていました。
グスタフ・パイヤーさん(86)
「仕事があるということは、部屋で座っているより楽しいです」
施設長
「役割があるということが大事なのです」
高齢者が活躍し「新たな生きがい」を見つけつつ、貧困リスクを軽減する社会。日本の未来にもつながる取り組みなのかもしれません。
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