アメリカのトランプ大統領は、日本などへの相互関税の一部を一時停止すると発表しました。原料を輸入に頼る県内企業は、「大きなダメージとなる可能性が強い」として、日々変わる“トランプ関税”の動向を注視しています。

トランプ大統領は相互関税について、日本をはじめ報復措置を取っていない国に対し、上乗せ分を90日間一時停止すると発表しました。

相互関税の発動からわずか13時間あまりの方針転換です。

ただ、全世界を対象にした10%の一律関税は維持するとしています。

世界の株価を左右するトランプ関税を、宮下知事は「重大な関心事項」として対応を検討する考えを示しました。

青森県 宮下宗一郎 知事
「振り回されすぎている。トランプ大統領に。民主主義が生んだ独裁者みたいになっている。対抗措置や日本の対応次第で、さらに様々な影響が出てくることも考えられる。本県としては重大な関心事項として、今後も情報交換を進めていきたい」

県内企業も、“トランプ関税”の動向を注視しています。

豆腐や納豆などを製造する三戸町の「太子食品工業」ではいま、原料の大豆の輸入について頭を悩ませています。

年間2トン仕入れている大豆のうち、3分の1がアメリカからの輸入です。

日々、乱高下する円相場を踏まえながら発注しなければなりません。さらに、今回の相互関税で世界的な需給バランスが崩れ、相場が変わる可能性が高いといいます。

太子食品工業 工藤茂雄 社長
「(相互関税で)中国がアメリカの大豆を買わないとなると、大豆が世界で余ることになる。相場がどうなるの。予算を立てていますけれども、現実と乖離してしまっていて、ほとんど意味がない」

太子食品工業はここ数年、石油製品の値上がりにより、機械を動かすのに使う「重油」や「包装資材」のコストが膨れ上がり、重荷になっていました。

そのなかで発動されたトランプ関税により、経営環境は不透明さを増しています。

太子食品工業 工藤茂雄 社長
「いろんなことがあっても耐えられるような工夫をしなければならないが、工夫のしようがない。今回は、そういう意味では弱っているところにダメージが、どんとくる可能性が強いのでは」

トランプ関税は、県内企業の経営を大きく左右する懸案事項となっています。