原発再稼働の是非を問う県民投票の実施に対し新潟県の花角英世知事が慎重な姿勢を示したのをうけ、県民投票の実現を目指す市民団体が9日に新潟県庁で会見を開き「やらない理由を探している」と知事の姿勢を批判しました。

【県民投票で決める会 顧問 佐々木寛 氏】
「簡素で、もっと言うと“冷たい印象”が否めない」
【県民投票で決める会 近藤正道 氏】
「二択がだめなら三択なのかというと、それも答えない」
「ただケチだけつけている…」

この県民投票実施の条例案に対し花角知事は、「『賛成』『反対』の二者択一の選択肢では県民の多様な意見を把握できない」とする“意見”を県のホームページで8日に公表。執行上の課題なども指摘しました。
意見の公表から一夜明けた9日午前に開かれた定例会見で知事は、
「間接民主制を補完するものとして住民投票自体を否定するものではない」
「県民がどういう受け止めをするのか、原発とどう向き合おうと考えているかを、探ります、見極めていきますと申し上げている」
「その“見極める”という段階において、住民投票というのはやはり課題がある」
「二者択一で得られる情報というのは限られてくる」
と述べた上で、
「条例が制定されるかどうかは議会の議論」だとしました。

また、花角英世新潟県知事は「いずれ県民の意見を集約していくプロセスに入る」として公聴会や意識調査などの方法を検討しているとしたものの、具体的な手法と時期は明らかにしませんでした。
【県民投票で決める会 水内基成 氏】
「待っていても、県民の考えの“見極め”はできない」
「県民投票をやるとなった時、県民の意識も『自分たちが判断を問われている。しっかり考えよう』となるのが普通…」
決める会は知事に対し、署名をした14万人余りは「主権者としての権利の行使」を求めていることに目を向けてほしいと主張。
公聴会などの実施を知事が挙げたことに対しては「やらない理由を探しているとしか考えられない」と批判しました。

【県民投票で決める会 水内基成 氏】
「あとは県議会議員の皆さんに託す。どっちに理があるのかを県議の皆さん一人ひとりがしっかりと考えてもらいたい」

条例案を審議する臨時議会の開催は16日からの3日間で予定されていて、初日には市民団体のメンバーが“請求代表者”として意見陳述を行うということです。