赤ちゃんを抱っこする時に欠かせない「抱っこひも」。ところがその抱っこひもから赤ちゃんが落下し、骨折や頭のけがを負う事故が相次いでいます。特に月齢の低い赤ちゃんで深刻なケースが多く、国民生活センターが注意を呼びかけています。

6年間で179件 その8割が“落下”事故

国民生活センターの発表によりますと、医療機関ネットワークには、抱っこ紐を使用していた際の子どもの事故情報が、2019年度からの約6年間に176件寄せられています。このうち抱っこしていた子供が落下した事例は約8割の138件に上っています。

重症例の多くは「月齢1〜3カ月」

落下した138件のうち約9割は0歳児で、さらに3カ月以下の乳児が半数以上を占めています。

また落下によるけがの内、4件に1件(37件)は骨折や頭蓋内損傷などの重篤なけがとなっています。月齢が低いほど骨が未発達なうえ、高い位置から頭部から落下することが多く、深刻な結果につながる恐れがあります。

原因は「緩い装着」「前かがみ」

主な事故の原因は「誤った装着」で、抱っこひもを緩めに装着していたり、安全ベルトを使っていなかったことで、脇や肩から赤ちゃんがすり抜けるケースが多数確認されています。

特に、着用者が前かがみになった際や、装着途中にバランスを崩して落ちるケースもあり、事故全体の7割が着用中に発生していました。