ゴルフの世界最高峰の夢舞台「マスターズ」が日本時間10日、オーガスタで開幕する。2021年にアジア勢初の栄冠を掴んだ松山英樹(33、LEXUS)が4年ぶり2度目の頂点を狙う。先週行われたマスターズの"前哨戦”、バレロ・テキサス・オープンでまさかの予選落ちも、「悪いゴルフをしているわけではない」と話す。前日練習後に今田竜二プロが松山に意気込みを聞いた。
Q.いよいよマスターズが始まりますが、今の心境はいかがですか。
松山英樹:楽しみな心境と、不安な部分も多少はあるという感じですね。
Q.オーガスタは松山選手とって、思い入れの強いコースであり、好きなコースでもあると思うんですけど、やはりこのコースに来るといつもと違うピリッとした感じがありますか?
松山:試合の時はそこまで感じることはないんですけど、練習の時の方がもう1年経ったんだという感じで、気を引き締め直さないといけないんだなっていうのはすごく感じます。
Q.昨年はツアーも優勝して、パリオリンピック™ではメダルも獲得して、すごく良い1年だったのかなと思うんですけど、松山選手からしてどんな1年でしたか。
松山:優勝することができましたし、メダルもとることができたので、すごく良い年になったなというのもあるんですけど、その中でも良くない試合もたくさんありましたし、そういうところで、もう少しできたんじゃないかなというのはありますね。
Q.ただオリンピックでメダルが取れたというのは大きかったですか。
松山:そうですね、気持ち的にすごく楽になりました。
Q.そして、今年に入っていきなりザ・セントリーで、大会記録、PGAツアーの新記録となる35アンダーを出して優勝しましたけど、その時はどのあたりが一番良かったですか?
松山:正直何が良かったのか、あまり分からない感じなんですけど、短いパットも結構外していたので、結果的に何が良かったのかあまり分からず。トータルのバランス的に流れを切らさないようにできたというのが一番大きかったんじゃないかなと思います。
Q.飛距離の面でも少しずつ伸びてきた、安定してきたとかそういう感じもあるんですか?
松山:飛距離に関しては、その時の体調によってもすごく変わってるので、今週は比較的飛んでいる方じゃないかなっていうのがあるんですけど、それよりもグリーン上とか、すごく大事になってくると思うので、そこをしっかり重点的にできたらいいいなと思います。
Q.先週、バレロ・テキサス・オープンに出場して、思うような結果にならなかったのかなと思うんですけど、このマスターズに向けて出場されたと思うんですけど、どのような感じでフィーリングをつかめましたか。
松山:プレーヤーズも、アーノルドパーマーもよくなかったので、その中で結果というものが欲しかったので出場したんですけど、それも予選落ちしてしまったんで。いい流れではないですけど、それでも悪いゴルフをしているわけではないっていうのは、自分の中であったので。ここに来て練習していても、悪いという感じはないですし、チャンスはあるんじゃないかなと思います。
Q.流れ的には2021年にマスターズ優勝した時もマスターズまでは、前週、前々週とあまり調子が良くなさそうだったんですけど、ここに来て一気に変わったので。今年も期待しちゃうんですけど・・・
松山:ゴルフ自体はその時と変わらないくらい良い状態にはなってきているんですけど、最後の、もう不安はないっていうようなピースがあると思うので、そこを埋められるかどうかという感じですね。
Q.やはり、このオーガスタに来ると、自然と僕なんかは好きなコースに来るとフィーリングとか合ってきたりとか、スイングのテンポも良くなってくる感じがあるんですけど、そういうのはありますか。
松山:いつもガタガタにされるんで(笑)何とも言えないですけど、でもこの雰囲気は好きですし、その中でピンポイントに打っていかないといけないとか、パッティングもしっかりとラインとタッチが合わないと入らないような感じなので、そこをしっかりとできた人が勝っていると思うので、そうなれるように頑張りたいなと思います。
Q.それを踏まえて今年のオーガスタなんですけど、どういうコースコンディションだったりとか。ハリケーンの影響も多少あったと思うんですけど、その辺の違いはいかがですか?
松山:木がなくなって抜けてるっていうホールも何ホールかありますけど、基本的なレイアウトは変わらないので。木がなくなって打ちづらいなというホ―ルが何か所かあるので、そこを明日も確認できたらなと思います。
Q.特にどの辺が、変わったというのはありますか。
松山:やっぱり木がなくなっているというのは、1番のティーショットのところもそうですし。あとは8番のセカンドとか、9番のティーショットも。10番なんかは特に分かりやすいんですけど、木がせり出していたところがちょっと間があるような感じなので、もしかしたら助かる可能性も出てくるかなという感じですね。
Q.そういう意味では、風の読みとかも優しくなりそうですか。
松山:吹き抜けてくるので、それが壁となってくれないので、ちょっと難しくなる部分も出てくるかなっていうのはありますね。
Q.そして、明日毎年恒例のチャンピオンズディナーがあるわけですけども。今年で4回目のチャンピオンディナーということで、参加できるのは、松山選手だけですが、どんな雰囲気なのか教えていただけますか。
松山:勝った時の自分がホストの立場の時は、すごい緊張して、何も見えないという感じだったんですけど、もう2回その後出てるので緊張もしないですし、みんなに連れられて行って、そこに座って食べてって感じです。
Q.好きなところに座っていいんですか?
松山:毎年決まっているような雰囲気はありますけど、でも変わったりしているところもあるので、何とも言えないですけど、大体そこらへんかなみたいな定位置があるんで。横に座る人たちの話を聞いてると面白い話もあって、楽しいです。
Q.そして今年で14回目のマスターズ出場ということになるんですけど、21年度は悲願の優勝を遂げていますが、「マスターズ」という大会は松山選手にとってどんなトーナメントですか。
松山:初めて出て、自分が変わった場所だと思いますし、そこで10年後に優勝できてさらに変わることができたと思います。日本人のアジアチャンピオンが出たということは嬉しいと思ってます。毎年ここでチャレンジしていると思うんですけど、今年もチャレンジがうまくいくように、準備したいなと思います。
Q.2021年に優勝する前と優勝した後とどんな風に気持ちが変わりましたか。
松山:あまり変化はないですね。やっぱり、ここに来たら自分のゴルフの悪いところを全部あぶり出される感じなので、そこをしっかり徹底的に潰して試合に挑まないといけないなと思います。
Q.そして、このマスターズ2度目の優勝を遂げるという松山選手の思いはどんな感じですか。
松山:毎年、ここに来る前からここに照準を合わせてやってますし、強い思いはありますけど、2021年の時のように、あまり自分に期待しない方がいい結果を生むかもしれないので、自分にストレスをかけないようにやっていけたらいいなと思います。
Q.そして最後になりますけど、今週の目標と意気込みをお願いします。
松山:4年ぶりに優勝を目指したいと思います。
Q.ぜひ優勝のインタビューをさせてください。ありがとうございました。