相手バッテリーの思考を逆手に取った?近本選手の『初球打ち』

―――続いては打撃のポイント。5日の試合、3回1アウト1塁の場面で近本選手が初球をホームランにしました。『初球』というところがポイントだと?

(矢野さん)「あまり初球を打つというイメージのバッターではないですよね」

―――前のバッターの富田蓮投手がバントを失敗して、相手チームがホッとしたようなところで、近本選手に打席が回ってきました。

(矢野さん)「相手からしたらエアポケットというか、『1アウトとれたし、ピッチャーが1塁にいる。近本選手はあんまり初球を打ってこないから、外のスライダーで入ればカウント取れるんじゃないの…えー!打つのー!?』みたいな。そんな感じのすごく価値があるホームラン。得点圏だったら打つけど、ここは打たないでしょっていうところを打ちに来た」

―――巨人バッテリーはデータ(近本選手の初球スイング率:17.1%)をわかった上で配球したのでしょうか?

(矢野さん)「データを知っているからこそ、逆に近本選手がそれを利用したんじゃないかなというところも僕はあると思います。チャンスメイクするのが1番2番と言われるんですけど、私が監督時代に『お前が決める試合もあっていいんじゃないの』という話をしていたんですよね。だからここ、初球をなぜ打ったのか近本選手に聞いてみたいですね。いろんな考えを持って、根拠を持ってこの初球を打ちにいって、それを決めてくれたっていうのは価値がすごく高いんじゃないかなと思いました」

(2025年4月7日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)