プレッシャーがかかる場面でマウンドに上がったのは育成出身ルーキー

―――巨人との3連戦、矢野さんがポイントとしてあげたのは『工藤投手のフォークボール』。「1個のアウトが1アウト以上の価値があった」とみているようですね。工藤投手は6日の試合、1点リードの6回途中2アウト1塁3塁の場面で門別投手に代わり登板。すごくプレッシャーがかかるシーンでした。

(矢野さん)「門別投手の初勝利の権利もかかっている。1点差で絶体絶命のピンチ。プレッシャーがとてもかかるんですよね。そこでの藤川球児監督の投手交代は思い切っていて、僕も監督目線で見てますから、ここで工藤投手にいかせたというのは面白いなと、藤川監督らしいなと思いましたね。(工藤投手の気持ちとしては)『こういう場面で使われてうれしい』っていうのがプレッシャーを上回っているんじゃないですかね」

―――工藤投手が抑えピッチャーとして9回を託されるようになることは?

(矢野さん)「ポテンシャルとしてはあります。ただ、プロの目線で見ると、“もうちょっと必要かな”というところがあります。今回、初球をアウトコースに全力で投げましたが、引っかけて抜けました。そして次はシュートで抜ける。ボールのずれ方が斜めにずれるのではなく、縦にずれるようになってほしいんです。縦にずれだすと、高めは空振りを取れて、ボールの角度がしっかりとつきます。シュート回転と引っかけるっていうのは、試合の中で使いにくい。1球目から縦にしっかりずれていくようなボールになったら、抑えは間違いなくいける」

―――ボールを引っかけてしまうのは力みですか?

(矢野さん)「力みはやっぱありますね。そして『抑えたい』『初めからいくぞ』という(体の)開きが引っかけている状態になるんじゃないかなと思います。ただ、ポテンシャルはありますし、楽しみで仕方がないです」