「ステージ1」で食道とリンパ節も切除へ

検査で食道がんと診断された場合、どういった治療法があるのでしょうか。

柄田医師は治療を行う際にはまずステージ診断、がんの進行度をみるといいます。

食道がんの早期発見は「ステージ0」で、この段階で発見できた場合は胃カメラでがんになっている部分を切除します。

ただ「ステージ1」で見つかった場合はがんになっている一部だけではなく、食道すべてを切除するケースがあるといいます。リンパ節もあわせて切除するといいます。

これは、CTなどで転移がみつからなくても、実は細胞レベルで隠れている可能性があるからだということです。

「ステージ2」や「ステージ3」では手術だけでなく、抗がん剤をはじめとする化学療法や放射線療法も行うこともあり、この場合、まずはこれらの治療法を行ってから手術で切除します。

「ステージ0」以外は手術が必要になりますが、柄田医師は食道がんの手術は近年目まぐるしく進化しているといいます。

柄田医師によりますと、大きな開腹手術や開胸手術は減っているとしていて、最新の統計で約9割は胸腔鏡やロボットを使うなど、体への負担が少ない手術方法が多いといいます。

手術方法によっては約2週間で退院できるケースもあるということです。

柄田医師は、食道がんは自覚症状がなく発見しづらいとするものの「早期に発見できた場合にはいい治療法があり、胃カメラで取るような治療法は体に負担なく終わる」として、胃カメラをはじめとした定期的な検査を受けるよう呼びかけます。