“核となる人”がいない 問題が歴代政権にも飛び火?

TBS政治部デスク 室井祐作 記者:
自民党内で“石破おろし”をしない二つ目の理由は、「中核人物の不在」です。
参院選の改選組、つまり次の選挙に出ようとしている人から、特に参院議員側から、総理を変えるべきではないかという声は一部で上がりましたが、広がりには欠けているような状況です。
“石破おろし”をするには、ある程度まとまった“核となる人”が必要だからです。その核になり得たのが、安倍派の元幹部たちです。
もともと安倍晋三氏と石破茂氏は、折り合いが悪かったこともあり、安倍派の中には石破氏を嫌う傾向にある人たちが比較的多いこともあります。
しかし、その安倍派の人たちは、裏金問題で表だって動きづらいという状況です。
さらに、中核になり得たのは、岸田前総理、茂木前幹事長、麻生最高顧問のような前政権の幹部の人たちです。「三頭政治」とも呼ばれ、非常に結束が強く、いまも夜の会食などを定期的にやっているくらいです。
ところが、商品券問題が岸田氏にまで飛び火をしてしまいました。
歴代政権も商品券問題を慣習的にやっているのでは、という疑惑が持たれる中で、石破氏をなかなか攻められなかったと言えると思います。
よって、“石破おろし”の中核になり得る人たちの不在ということも、今回、起きなかった理由の一つではないかと思います。
井上キャスター:
自民党の参院議員からすると、夏に選挙があるので、そんなことを言っていられない、自分たちが当選できるかというところでしょう。

経済評論家 加谷珪一さん:
参院選を抱えている人からすると、何とかしてくれ、となると思います。
一方、選挙結果がどうなるのかで、今後の政局も変わるので様子見したいという気持ちもあって、国民は置いてけぼりかなという感じはします。
出水キャスター:
野党も、夏の選挙に向けて次の公約ばかりに注力しているように見えます。
「政治とカネ」の問題で、いろいろ不信感があるのに、追及しようとしない姿勢に少し不安があると思います。追及すべきところは、このタイミングでやってほしいですね。
肉乃小路ニクヨさん:
トランプ氏と直接交渉したくないというか、矢面に立ちたくない気持ちもあるのではないかと思いました。
==========
<プロフィール>
室井祐作
TBS報道局政治部デスク 元官邸キャップ
過去、石破氏の番記者を担当
加谷珪一さん
経済評論家 元日経BP記者 著書に「貧乏国ニッポン」
中央省庁などへのコンサルティング業務も
肉乃小路ニクヨさん
ニューレディー
銀行・保険会社など金融業界でキャリアを積む
独自の視点で経済・お金・人生観を語る