中国に駐在する金杉憲治大使が、スパイ罪で起訴されたアステラス製薬の日本人社員の男性と領事面会したことがわかりました。

金杉大使が31日、反スパイ法などに違反した疑いでおととし3月に拘束され、その後、スパイ罪で起訴されたアステラス製薬の日本人社員の男性と領事面会したことが日中関係筋への取材で分かりました。

金杉大使が就任して以来、面会は5回目となりますが、男性の健康状態に問題がないことを確認したということです。

去年11月には、北京市内の裁判所で初公判が開かれましたが、どの行為が罪に問われているのか、いまもわかっておらず、今後の裁判の日程も明らかになっていません。

拘束が長期化するなか、日本政府としては金杉大使が重ねて面会を繰り返すことで、引き続き早期の釈放を求める姿勢を示した形です。

2014年に「反スパイ法」が施行されて以降、中国で17人の日本人が拘束されており、現在もこのアステラス製薬の社員を含め、5人が身柄を拘束されたままになっています。