■海外“年収アップ”職業 すし職人、美容師、工場の生産管理、ITエンジニア


熊崎キャスター:
外国で実際どういう職業が特に求められているのか。寿司職人などの飲食店関係者は引く手あまた、大人気なんだそうです。やはりすし職人は類まれなる技術を持っているというところが大きな理由です。

海外就労に詳しい森山氏に話を聞くと・・・

【シンガポールの飲食店関係】
・ホール担当=月収35~40万円
・コックや板前=月収50万円
店長・マネジャー=月収100万円超のケースも

他に人気のある仕事、例えばITエンジニアや工場の生産管理など、そして美容師なんかも人気がある。なぜ日本人がここまで求められているのか。

海外就労に詳しい 森山たつを氏
「日本人の技術の高さが評価されている、そして給料など条件はかなり良い」

やっぱり技術を持っているのは、世界的に見ても強いんだということを森山さんはお話されていました。

それから今、海外のそれぞれの仕事の時給がどうなっているのか見ていきます。 


【各国の最低賃金(2022年)】
日本 961円(全国平均)
ルクセンブルク 約2353円
オーストラリア 約2009円
ドイツ     約1759円
イギリス    約1610円
※世界経済フォーラムまとめより換算

【米・フォーブス誌によると】
米・カリフォルニア州 最低賃金 時給15ドル=約2220円

また、ファストフード従業員は2022年9月「ファスト法」成立に伴い、給与が大幅引き上げられ、2023年1月から最低賃金が最大時給22ドル=約3256円になるそうです。

ホランキャスター:
これは人手不足だから?

熊崎キャスター:
アメリカだとレストランでチップがもらえますが、ファストフード店だと、チップをもらう文化がないので、そこに合わせるために、ファストフード店の給料を上げるとのことです。チップをもらえない分、加味した給料になる。

井上キャスター:
それにしても日本で時給3000円超えの仕事なんて、想像つかないですよ。

星氏:
だから介護やメイドさんの現場でも、フィリピンやインドネシアの方が、最近は台湾や香港やシンガポールとかの方にどんどん行ってしまい、日本にあんまり来てくれなくなってるらしいです。

井上キャスター:
東南アジアの方が稼げる?

星氏:
東南アジアの富裕層がいっぱいいますからね。そちらの時給が圧倒的に高い。

ホランキャスター:
日本は人手不足で、国内でまかなえない人手を海外からも助けてもらえなくなると、大変な現場が増えてきますよね。

■生活費も高額 ラーメン1500円 気をつけるポイントは?


熊崎キャスター:
皆さん薄々お気づきかと思いますが、時給が高いと生活費も高額になる。ということを森山さんは話しています。

【シンガポールの場合】
住居費:ルームシェア1部屋 約10万円/月
ランチ:ラーメン1杯 約1500円

海外就労に詳しい 森山たつを氏
「安いランチなら500~800円、ただ生活費全体は日本の倍」
「貯金は切り詰めればできる。半年で100万円貯めた人も」

熊崎キャスター:
では海外での出稼ぎの心得はどういうところが大事になってくるのか。

海外就労に詳しい 森山たつを氏
「『金額目当て』だけで行くと、未払い・条件が違うなどトラブルも」
「『なぜ海外か』『自分のスキルは何か』など給与以外の目的を持たないと痛い目に遭う」

ホランキャスター:
確かに成功した方々ばかり取り上げられること多いですけど、失敗した方も大変な思いをされた方もいます。

井上キャスター:
大体テレビの取材では「失敗例です」ってやらないですもんね。なんか連日、円安で給料が上がらないというニュースをやっています。日本だけがガラパゴス化していって、貧困国というか、なんか国力もどんどん下がっている。

星氏:
日本はそういうところが得意なはずだったんですけど、気が付けば、賃金も全体的に安い国になってしまった。これで大丈夫かなっていう気がしてきますよね。

ホランキャスター:
取り戻す方法はないんですか?

星氏:
やっぱり基本的に、日本が「何で食っていくのか」ということをきちんと考えないといけない。物作りに加えて、ITとかデジタルとか自動車を含めて、どこに特化していくかを国家戦略として決めていく必要がある。もう全てっていうわけにいきませんからね。

井上キャスター:
ITで出遅れた分。次ですよね、国家戦略として。