ついに「赤字国債」に踏み切る
こうした状況の中、佐藤内閣は戦後初の「赤字国債の発行」に踏み切ります。政府の事業を増やし、雇用を守り、景気を浮揚させようという政策でした。これに加えて、日本の産業はインフラ建設から輸出への移行に成功し、高度成長のトレンドに戻ることができました。

赤字国債はいわば「特効薬」となったわけです。しかしながら、同時に「止めたくても止められない」麻薬のような薬でもありました。
現在日本政府が抱える1100兆円超の債務。
そのスタートは、半世紀前、五輪後の不況を乗り越えるためのものだったのです。