新型コロナの感染者数は一時に比べ落ち着いてきていますが、第7波のあと、コロナの後遺症に悩む人が急激に増えていることが分かりました。どのような症状が多いのでしょうか。
「私たちの所にいらっしゃる患者さん、実は増えていまして、8月の終わりぐらいから現在にかけて患者さんを次々と紹介いたただいている現状です」
こう話すのは、鳥取大学医学部附属病院で新型コロナの後遺症外来を担当する千酌浩樹医師です。
患者の年代は幅広く、症状としては、倦怠感や頭にモヤがかかったような感覚になる「ブレインフォグ」、頭痛、不眠など、日常生活に支障をきたすものも多いといいます。

鳥取大学医学部附属病院 感染症内科 千酌浩樹 科長
「株間で後遺症の内容はあまり変わっていないと思います。後遺症でいま多いのが、全身の疲れとか、あまり物事に集中できない。今までは単純にできていたことが、なかなか考えがまとまらなくてできない。ブレインフォグと言いますけど、また、頭痛や不眠、日常生活を送る上でかなり支障になる症状が多い。そういうものは、前のデルタ株でも今のオミクロン株でも変わらずに続いています」
そして、第7波のピークは8月中旬ごろだったことから、後遺症患者は今後さらに増加することが予測されると指摘します。
鳥取大学医学部附属病院 感染症内科 千酌浩樹 科長
「ほかの感染症でも、例えばインフルエンザとかでもかなり重ければ、しばらく倦怠感が続くとか、後遺症に近い症状は出ます。例えば脱毛なんかはあったんです。ところが、その頻度がコロナの場合非常に多いと思いますし、コロナでも重症の人ほど後遺症は起こりやすいんですけど、さほど重症ではなかったのに、後遺症としか考えられない症状で困られる方が結構おられます」

後遺症の発症頻度が高いことが新型コロナの特徴。
さらに、新型コロナで重症だった人は後遺症をより発症しやすいといいます。
鳥取大学医学部附属病院 感染症内科 千酌浩樹 科長
「軽症でも出ますよ、確かにそうなんですが、多いのはやはり重症の方なんです。ワクチンは重症化は確実に予防するものです。ぜひ、落ち着いている今のうちにワクチンを打ってほしいと思います」
後遺症に悩む人の増加は、島根県でも。
島根県感染症対策室 廣江純一郎さん
「今年8月、9月でだんだんと罹患後症状に関する相談の割合が増えてきている状況があります」
島根県では、県に寄せられたコロナ後遺症の相談件数を2022年6月から取りまとめています。
6月は22件でしたが、7月は32件、8月は79件、9月は74件と、夏以降急増しています。

そして相談者の症状です。
発熱38.2%、
倦怠感25.1%、
咳21.7%、
のどの痛みや違和感11.6%、
頭痛9.7%、
息苦しさ9.2%、
味覚や嗅覚の異常4.8%などとなっています。

島根県では、まずはかかりつけ医への受診。かかりつけ医が無い場合などは、健康相談コールセンターに問い合わせるよう呼びかけています。