気象庁によりますと3月24日から3月25日にかけて、東北から九州の広い範囲で黄砂の飛来が予想されるということです。交通障害が発生するおそれもあるとして注意を呼びかけています。

こうして毎年やってくる黄砂のニュースにため息をつく人も多いはず。でも、黄砂ってそもそも何なのでしょうか?実は、黄砂自体はそんなに悪い砂ではないといいます。知っているようで知らない黄砂について、TBSウェザーセンター片山由紀子 気象予報士 に聞きました。

もともとは“ただの砂” 舞い上がって汚染物質が付着

ーーずばり、黄砂って何なのでしょうか?

もともとは、中国大陸内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠や黄土高原などの“細かい砂”です。これが偏西風にのって飛んできたものを「黄砂」といいます。

ーー遠くからはるばるやってくる、招かざる客なわけですね。

実は黄砂は、はじめは「ただの砂」なんです。それだけで害があるわけではないのです。ただ、舞い上がって飛来する過程で、汚染物質などが付着していくため、健康被害などの面で近年話題になっているんです。

ーー黄砂の飛来は、年々悪化しているように感じます。原因はあるのでしょうか?

一説によると中国の経済発展に伴って土地の乾燥化が進み、黄砂の飛来量が年々多くなってきていると言われていますが、実際のところはよくわかりません。世界的にも黄砂は広がっていて、太平洋を越えて北米やごくわずかではありますがアルプスにまで達するものもあります。

ーー日本に飛んでくる黄砂の大きさはどのくらいなんですか?

すごく、すごく小さいです。花粉の大きさは30マイクロメートルほどですが、黄砂はその3分の1ほどで、だいたい10マイクロメートル、ただ、小さいものだと2,3マイクロメートルくらいのものもあります。

ーー飛来するのは春だけですか?

“春の風物詩”と言われていて、毎年3~5月に飛来します。特に多いのが4月。黄砂がジェット気流(偏西風)にのってくるのですが、それが日本列島の真上を通るのが3~5月の時期だからです。実は、秋にも飛来するのですが、そのころには中国の砂漠地帯で雪が積り始めるので、砂が舞い上がりにくくなり量はわずかです。