「連絡一度もない」受刑者へ父親がぶつけた「鬼畜生だと思った」
心情伝達制度はまず刑務官が被害者や遺族の思いなどを対面で聞き取り、その内容を加害者に口頭で伝える。そして、それに対する反応や答えなどを刑務官が聞き取って被害者側に書面で通知するというものだ。
去年9月、森田さんは近畿地方のある刑務所を訪れ、職員と3時間にわたり面談をした。その中で加害者へ伝えたい思いをまとめた。
【森田さんが中村受刑者に伝えた内容】
「事件の起きる前まで、休みの日には、子どもたちと近所の公園で遊んだり、一緒に遊園地にも遊びに行った思い出が残っている。都史はゴルフが上手で、夢はプロゴルファーだった。それが事件で泡となって消えてしまった。当時、都史と遊んだことを思い出すと今でも辛くて仕方がない」
「事件の一報があり、すぐに病院へ向かったが、道中は『都史がんばれ。都史がんばれ。』と言い続ける事しかできなかった。ICUにすぐに通されたが、医者から都史君は背中や頭など、約10か所も刺されズタズタの状況であったと聞かされ、鬼畜生だと思った」
また、面談では命日の日には加害者側の姿を一度も見たことがない、事件への反省の姿勢について、伝えた。