当事者だからわかるサポートの力を仕事に

(みやざき高次脳機能障がい家族会あかり 飛田 洋 会長)
「家族会の仲間である、高次脳機能障害の当事者が、支援を受ける障害者側から、支援する側、当事者でありながら、支援の専門家へと道を歩み始めました。きょうその中で2人が見えております」

この日、宮崎市で開かれたのは、高次脳機能障害の当事者や家族でつくる「みやざき高次脳機能障がい家族会あかり」の定例会。当事者の2人が発表しました。

宮崎市の飛田洋平さん(42歳)は、当事者でありながら、先月、国家資格である精神保健福祉士の試験に見事、合格。
来月から、障害者の就労支援などを行う施設で働くことが決まりました。

(飛田洋平さん)
「精神保健福祉士、通っちゃったんです、びっくりしました。資格とったのはスタートラインに立っただけなので、これからだと思ってるんですけど」

飛田さんは大学生だった19歳の時、横断歩道で車にはねられ、2か月ほど意識不明や意識低下の状態が続きました。

回復後、記憶障害や注意障害が出るようになったものの、すぐには高次脳機能障害とは診断されませんでした。

そうした経験から、飛田さんは、障害の理解を深める活動や支援の拡充を求める活動に取り組んできました。

(飛田洋平さん)
「非常に申し上げにくいことではあるですが、高次脳機能障害、ほかの障害もかもしれないけど、宮崎県の社会のサポート体制は非常に遅れていると思います。それを肌身で感じます。私も当事者ですので、当事者だからわかるピア(サポート)の力を仕事に全面に生かしていけるといいなと思ってそこを頑張っていきたいなと思ってます」