高次脳機能障害とは、病気や事故で脳に損傷を負ったことで現れる障害のことです。
人によって症状はさまざまですが、例えば「新しいことを覚えられない」「すぐに物事を忘れてしまう」などの記憶障害、「気が散りやすくなる」などの注意障害があります。

外見では分かりづらいため「見えない障害」とも言われている高次脳機能障害ですが、今回、その障害と向き合いながら、チャレンジを続ける当事者たちを取材しました。
人の倍以上努力しないと同じ結果が出せない

宮崎県内に住むたか子さん(仮名)、18歳。「高次脳機能障害」の当事者です。
(たか子さん)
「これまでできていたことが、何もできなくなって、どうすればいいのか手段もつかめず、言葉では表せないくらいつらかったです」
小学生のときに交通事故に遭い脳を損傷したたか子さん。長い間、様々な症状に違和感を覚えてきました。

(たか子さん)
「人の倍以上努力しないと同じ結果が出せないので、たくさん勉強が必要でしたし、読んで記憶しようとしても、すぐに記憶した内容を忘れてしまうので」
そうした中、たか子さんは、自分と同じような障害者を支援する社会福祉士を目指そうと、この春、大学に進学することが決まりました。

高次脳機能障害の当事者でありながら、支援する側にまわろうとチャレンジを続ける人たちの思いを聞きました。