津波が数分で押し寄せた能登半島地震で、住民が事前に準備をしていて犠牲者が出なかった地域がありました。福岡県でも津波が数分で押し寄せると想定されている地域があります。事前の備えは十分なのか取材しました。

地震から数分で津波 石川県珠洲市狼煙地区

石川県珠洲市(2024年1月1日)

福岡県西方沖地震や阪神淡路大震災を上回るマグニチュード7.6を記録した能登半島地震。数十分のうちに各地に津波が襲来しました。

提供:視聴者

津波の高さが4メートルを超えた場所もあった石川県珠洲市。

RKB 宮脇憲一アナウンサー
「目の前に海があり、波消しブロックもあるんですけど、ただこの辺りは本当に津波の被害が大きかった場所です。こちら、家の1階部分に車が押し流されて、今もそのままとなっています」

能登半島の先端にある珠洲市狼煙地区も地震から数分後、津波が押し寄せました。

狼煙地区 糸矢敏夫 区長
「遠くから真一文字で白いものがやってきて、それって東日本大震災の時もよく映像に出てくる、それがずっと来て、その港の中へザーッと流れ込んでくるんですよ」

犠牲者「ゼロ」役に立ったのは”名簿”

提供:糸矢敏夫さん

狼煙地区の住民はすぐに高台へ避難。地震で地面が1メートルほど隆起したこともあり津波による大きな被害はありませんでした。

倒壊した家屋に取り残された高齢の女性もいましたが、地域の住民が救助に当たり犠牲者はゼロ。

この時、役に立ったのが避難の際に支援が必要なのは誰かなど細かい情報を記載した名簿です。

狼煙地区 糸矢敏夫 区長
「いざという時の連絡先をできるだけ知っておくというふうなことを目的に作ったんです」

RKB 宮脇憲一アナウンサー
「狼煙地区の皆さんですか?」

狼煙地区 糸矢敏夫 区長
「全員です。全員」