テレビ高知では、「みんなのミライプロジェクト in KOCHI」と題して、子どもたちの夢や思い、絆を育むプロジェクトを展開しています。今回、自分たちが住む場所をより魅力ある地域にしたいと活動する小学生に、テレビ高知が協力させていただきました。卒業を前に、地域の人たちと一緒に取り組んだ3か月間。子どもたちの姿を追いました。

高知市中心部に位置する第六小学校。創立113年目を迎える歴史ある小学校です。

現在の全校児童は188人。戦前に建てられた趣のある校舎には、子どもたちの元気な声が響きます。

2024年12月。卒業を控えた6年生は、地域の人たちを招いてある提案をしました。

「僕たちはいま、商店街を盛り上げようと活動しています。升形商店街に、もっとたくさんの人に来てもらいたい、盛り上げたいという理由です。悩んだ中で、PR動画とマスコットキャラクターの2つを提案しようと考えています」

総合学習を通じて、人口減少への対策は”魅力あるまちづくり”だと考えるようになった子どもたち。6年間過ごした学び舎から巣立っていく前にプロジェクトを立ち上げ、地域の人たちに「一緒に取り組んでほしい」と提案したのです。

(地域の人)
「ほんとにすばらしい発表だったと思います。全部の事業に参加したいなと思いました」
「これからみんなと関わりを持って取り組んでいけたらと思います」

6年生33人が進めるプロジェクトはこちら。

・升形商店街の魅力を伝える動画制作
・防災マップの作成
・地域の美化活動(花植え&草刈り)
・あいさつ運動
・ポイ捨て防止のポスター制作

5つのグループが、それぞれ地域の人たちと一緒に取り組みます。テレビ高知も、商店街の動画制作に協力することになりました。

(升形商店街の盛り上げを提案)
「緊張はしていたけどみんなと楽しくプレゼンテーションができたのでよかったと思います」
「まずは升形商店街に人が集まって、お客さんもいっぱいで、賑やかなまちにしていきたいと思っています」

年が明けて、さっそくテレビ高知のディレクターが動画の作り方をレクチャー。どんな動画をつくるのかを話し合い、撮影する場所やインタビューの内容を決めていきます。

アポイントも自分たちで取り、いざ撮影へ!

「3、2、1、キュー!」

「はーい!きょうは升形商店街のことについて紹介します」

まるでプロの撮影スタッフのようですね!リポーターにカメラマン、ディレクター。みんなサマになっていますね。それぞれの役割をしっかりとこなしています。

「あ、水平取れてなかった」
「質問するとき、ちょっと間を空けてよ。目線も!」

(リポーター)
「相手の目を見て、そしてカメラ目線で、大きな声でハキハキと言うというのを工夫しました」

Q.できてましたか?
「はい、完璧にできたと思います」

(カメラマン)
「ちょっと難しかったです。操作をして一番伝えないといけないところを撮ったりするのを工夫しました」
「友達と相談してここをこうしよっか、とかいうのは楽しかったです」

ほかのグループも着々とプロジェクトが進行していました。この日は、美化活動のグループが校区内にある公園で、地域の人たちと一緒に草刈りです。

(地域の人)
「草ボーボー。背丈ぐらいの草がザーッと生えていて、公園とはなかなか言えないような感じでした。地域のことを考えてくれて、それが最終的には地域がきれいになったりみんなが気持ちよくなったりそういうようなことにつながっていくんだなと思って非常にすがすがしい気持ちです」

(児童)
「楽しかったしきれいになってよかったです」
「これからもいっぱいここで遊べるのでよかったです」

また、こちらのグループは。

「おはようございまーす」

早朝から元気よく、あいさつ運動です。

(通りがかった人)
「とても気持ちがいい事だと思います、こちらも朝から清々しくなりますね」

(児童)
「地域の人が笑顔で反応してくれたのがうれしかったです」
「地域の人も喜んでくれたし、あいさつ運動をこうやって楽しくできたのでよかったです」

防災マップと、ポイ捨て防止のポスターを制作した2つのグループも。

「防災ポスターをつくったので貼らせてください」

地域の協力を得て、できあがったポスターを校区内に貼っていきます。

卒業式が迫る中、動画制作チームは編集作業に追い込みをかけていました。

動画は、自分たちで考えた升形商店街のマスコットキャラクター、「まっすー」が商店街を紹介する、という内容。ところがナレーションを書いているとき、ある重要なことに気づきます。

「このままやったらナレーションの文章、まっすーみたいじゃない?」
「結局、ナレーションはまっすーと一緒?」
「一緒にせな、ナレーション2人もおったら変じゃない?まっすーが呼びかけたのに急にナレーションが変わると人の声が変わる」

ナレーションの声と、まっすーの声を一緒にするかどうかを決めていなかったのです。このするどい気づきには、テレビ高知のディレクターもびっくり!

(佐竹ディレクター)
「すばらしいね…僕もぬかってました。すごいね!」

こうして何度も何度も試行錯誤を重ねること、およそ1か月。ようやく完成した動画がこちらです。

(児童)
「お気に入りのシーンは末信精肉店さんの末信さんがニコッとするところです。商店街が末信さんが会長なこともあって、これからも成長していくいい商店街だなって思いました」
「やっぱりいいまちだなと思いました。雰囲気とか、人はちょっと少なかったかもしれないけど、でも売ってるものとか店員さんの人柄とかいいなって思いました。この経験を生かしてもっと活性化させていきたいなと思います」

大人になってもこの校区で住み続けたいという思いからスタートした今回のプロジェクト。自分たちが暮らす地域を見つめ直すいいきっかけになったようです。

地域のために、と考えたプロジェクトがどんどん実現して、子どもたちの実行力にも驚かされますよね。そして先ほど、動画の中に登場した子どもたちが考えたキャラクター「まっすー」が、正式に升形商店街のキャラクターに認定されたそうなんです!

21日に卒業式を迎え、別の中学校に行く子どもたちもいますが、プロジェクトを通じて育んだ地域を愛する思いは変わらないことと思います。